多摩川中流域

小さな探検 2.遡上の試み



穴からの湧き水


 崖に近づくと、水が穴から流れ出ているところがあった。まるで蛇か河原の小鳥の穴のようだ。その様な場所が次々に現れた。音を立てて流れているところもある。

湧き水1  湧き水2  湧き水3

 こちら岸のススキが原はかなり広いので地下水が豊富で、このようにあちこちの穴から水がわき出ているのだろう。



崖の上

 途中一度崖を上がり、また河原に降りて、なおも上流を目指した。

 崖が流れにせまって先に進めず、再度崖を上がった。崖は土砂と砂地で2メートル程度の高さ。

 崖の急斜面を上がると葦かススキが積み重なって枯れた平らな地面?だ。
足は土の地面にはつかず、枯れ草の上をふかふかと歩けた。時々少しもぐった。

ががいも

 大きなオクラのような実を見つけた。青々としたつる草のみだ。
今まで見たことはなかったが、こんなものがあるんだ。枯れ草がいい対照をしている。そのまま生け花のアレンジにしてもいい感じ。よく見るとあちこちにあった。

(植物図鑑で調べたら、ガガイモ科のガガイモという原野に生えるつる性の多年草。地下茎を長くのばして増える、と書いてあった。イモもあるのだろうか?すぐ近くのページに、科は違うが、アサガオやサツマイモが出ていた。どことなく似ているところもありそうだ。)

 慎重に枯れ草の上を歩いて、上流の様子が何となく分かるところまでいった。ススキの原の崖上から精一杯上流を見たのが下の写真。

ジグザグの流れの上流




断念

 流れはだいぶ浅いし細くなっている。もう少しでこの上流も行き止まりになりそうだが、先の崖に隠れていて、まだまだ分からない。

 しかし、これ以上枯れたススキの原を先に進んでいくのは少し心細い。
静かな広い原野。周りには誰もいない。枯れたススキの上を草のつるが絡まって、足許も定かではない。

 今回はここまでにしておこう。この次は中州に渡って、この上流がどうなっているか突き止めよう。長靴でこようか?

 枯れたススキが原の帰り道は、途中で立ち枯れた背の高い草が多いところに少し迷い込んだ。ズボンにはいろいろな草の種が付いてきた。こんな時は無理に草藪を進まず、もと来たところを戻った方がいい。

 川岸に降りる場所を探し、葦らしい枯れ草の茎を数本つかんで下に降りた。

 崖の途中は崩れ落ちそうな土砂の足場だったが、無事河原に着地した。
あらためて流れを見ると、水はとても澄んでいて川底の石には緑のコケが付いていた。中州のこちら側の流れはほとんど湧き水からのものだろう。

 湧き水の場所があちこちにあり、水も澄んでいる。ジグザグの先は見届けることはできなかったが、もうちょっとで終わりそうだった。

 この流れは本流から分岐したものではなく、本流にそそぎ込むごく短い支流だという考えがさらに強くなった。






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