多摩川中流域

大栗川の岸辺と連光寺の崖
(2)秘境に滝を発見




思いがけない滝との出会い


 大栗川の連光寺側の岸辺の岩らしいものを調べようとして、笹を分け狭く水面上に露出した砂利を踏んで岸辺を下流側にたどったときのことである。岸辺の堆積岩については前項に書いた。
岸辺にある堆積岩にたどり着く前に、歩ける岸辺がいったん途絶え、藪の奥に小さな流れと滝らしいものが見えた。

滝を発見

 小さな流れのへりを奥にたどるとすぐに立派な滝に出会った。


大栗川秘境の滝

滝

 滝。上の河床がキノコ状の庇(ひさし)のようになっている。ひさしの緩やかな曲線は、長年にわたって流水で磨かれてきたことを物語っている。この流れの奥には排水路のような構造物が見える。谷間の部分を埋めて平らにしたが、元の谷の水路をこの構造物で保存したのかもしれない。
 
下の岩  

 滝壺に鎮座する岩の固まり。滝が浸食により後退し、ひさしが崩落したものだろう。表面は黒茶だが、部分的に剥離した面は茶褐色。
出っ張っているところを引っ張ると塊がもろく剥離した。砂質。

滝

 日を改めて再度滝にアプローチした。大栗川の岸を少し下流にたどり、岸に迫った篠竹の藪にのぼって上流側に戻り滝に接近した。そこから見た滝の姿。滝上部の川床がひさしのようになっていること、ひさしの下面と同じ高さで、右側の岸の崖に筋が入っていることが分かる。

滝の左

 滝壺の右側斜面に登り、右上からの滝の眺め。滝のひさしの下面が左側の地層の割れ目に続いている。

赤い砂利

 滝のひさし下面に連続した地層の割れ目。赤褐色に変色した小砂利を含んでいる。

流れの出口

 滝壺近くから大栗川への出口の眺め。滝壺の位置(高さ)は川の水面の高さに近い。


対岸からの小滝のながめ

 小滝があることがわかったので、あらためて対岸のサイクリング道路からその位置を確認した。

流れ込み

 丘陵の合間。右と左に丘陵地が分かれ、その合間の正面は台地状でゴルフ場になっている。
樹木が葉を落としているので、左右に丘陵が分かれていることが分かる。

流れ込み

 左右に分かれた丘陵の合間。そこに小さな水路がみえる。水路の先が広がって滑り台のようになっている。あの滝の上部にあたる。
そこに滝があることがわかってみると、ザアザアいう滝の音もはっきり聞き取ることができる。
(2007年3月撮影)




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