多摩川中流域

大雨のあと(2)水路上流の探検



逡巡

上流部の調査をした後、多摩川原橋の近くまで戻った。
だいぶ疲れたがすこし未練が残っていた。
増水している水面の流れの様子などを撮りたいと思い、気を付けながら草株の上を伝い歩き、写真を撮った。


再び

写真手前は袋小路の支流の上流、護岸に沿った水路。増水で水面が上がり、幅も広くなっている。
水路の奥の方は小さな崖がカーブして続いている。
この水路の先がどこいら辺まで続いているのか、さっきの調査では結局分からなかった。

足元の流れ

草株の間で、深めの溝になっているところを水が流れている。
水はきれいだ。こういう流れは大好き。普段は見られない流れだ。


逡巡

この小さな流れの元は護岸に沿った水路。その水路の上流を中州から調べてみたい気持ちが残っていた。
中州の方に渡れそうなところをさがした。良さそうなところがあった。幅は広いがやや浅い。
飛び越せる広さではない。わたろうか、どうしようか。泥水で濡れるだろう。
飛び越せそうなところは深そうだし、岸辺は草でカバーされているので向こう岸に着かずにバシャッとなるかもしれない。
その辺の写真をいろいろ撮りながら、
 わたろう、いや、やめておこう、
何度もあちらを見、こちらを見、同じ考えを巡っていた。



中州へ

意を決して中州へわたった。くるぶしぐらいの深さだった。土にはもぐらずにすんだ。
すぐにしっかりした砂利の上に出た。
 

草

中州の草。すべて下流側(写真の右側)に向かって押し倒されている。


小さい流れ

この写真は、さっき(「大雨のあと1」)の上流側の調査で、鉄砲水のあとのような光景が見られた小道の先端部。
きれいな水が流れており、水路の下の石が透けて見えている。
(この中州からの調査の帰り、ここから護岸に上がった。水路には2歩入った。深さは10センチぐらい。)



水たまり

先ほど、護岸の所から遠望した水たまり。ここが水路の先端のようだ。

下流

これは下流側を振り返った写真。この水たまりというか池。割と水量がある。


最先端へ

念のため、水たまりの先端をあとにして少し砂利の盛り上がりを越え、さらに上流側に行ってみた。
そこにはまた水たまりの池があった。増水したときの水のなごりのような雰囲気。

最先端

この水たまりの先端部には水鳥の歩いた足跡が残っていた。
先端部の先は砂利層が少し高くなっている。砂利層からは少しずつ水がしみ出しているようだった。


下流

水たまりの池の先端の砂利が少し高くなったところから下流側を見た写真。
こうやってみると、この池も意外に広い。
向こうには多摩川原橋が写っている。

もう最先端に達したと思って下流側の写真を撮ったのだが、先にもまた水たまりがあった。

もう一つ



もう無いと思ったら、さらにもう一つ。

さらにもう一つ


その上にもまだ小さい水たまり。
その上


結局4〜5個の水たまりが、崖に沿ってできていた。
それぞれの水たまりは水路ではつながっていない。砂利層を通して少し水が通じているかもしれない。

池4つ

本当の最先端から下流側を振り返った写真。いくつか小池が写っている。
遠くに多摩川原橋。




対岸

中州の中央に入り、そこから見た多摩川の本流と対岸。
多摩川の本流から崖沿いの池や水路に通じるような、砂利の低くなった流れ込みの場所はなかった。
草株にひっかかっていたゴミの高さから考えると、増水したときの水位は中州の砂利面の30センチ前後上のようだ。


袋小路の支流の水源について分かったこと:
崖に沿ってどこまでも水源の水路が上流側に続いているというわけではなかった。
崖に沿った水路の上流には、いくつかの断続した小さな池のような水たまりがあった。
しみ出した水がやがて豊富な水量の流れになっていた。
多摩川の本流とは、(増水時を除いては)まったく関係なかった。

かなり疲れたが、まったく予期しなかったこと、最上流では小さな池(水たまり)が断続している、などが分かって満足感が残った。            
                          (2006年6月 撮影)

(続く)






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