多摩川中流域

大雨のあと(1)川岸に沿った水路



大雨のあと

大雨が2日ほど続いたあとの晴れ間。
先日緑の水草の縁取りを見に行った多摩川原橋の下の袋小路の流れがどうなっているか気になって見に行った。
大雨のあと多摩川は増水して濁流が流れているかも・・・という気がしたのだ。

しかし、もう濁流はおさまっているようだった。
河原に下りて見てみると、水面に近い河原の草はすべて横にないでいた。増水した水の流れが草を押し倒したのだろう。

下流

下流側を見てみると、なんとこの前あった岸と中州を結ぶブルドーザーのための砂利道が見あたらず、袋小路の支流はすっかり下流の方まで開通していた。
砂利が押し流されたのではなく、たぶん増水して砂利道よりも水位が高くなっているのだろう。
しかし、これが本来の流れの姿だ。流れの途中を砂利で埋めて、土管で流れを通すなんてやっぱりおかしい。

(このときはそう思っていたが、まえの「緑の縁取り」の時の写真と見比べてみると、
ブルドーザーのための砂利道はどうも無くなっているようだ。前の時と1週間は経っていないので、工事で川筋の砂利がのぞかれたとは思えない。大雨の濁流で押し流されてしまったのだろうか。)



上流

上流側も水が多い。水路の幅も広くなっている。上の写真で見るとおり、広々とした入り組んだ池のようになっている。
増水している水は濁流ではなかった。いまはもうきれいな流れだ。

岸辺の草はすべて押し倒されている。大雨の最中は相当な濁流だったのだろう。


流れ込み1

上流側を眼でたどっていくと、向こうの平らに整地されたグランドのような中州からドクドクとかなりな勢いで水が流れ込んでいた。
なるほど、これがここの袋小路支流の増水の元か、という感じだ。
本来はこの広い中州に降った雨水は、まず地中にしみこんで、それからここの袋小路支流にわき出ていたのだろう。
今はしみこむ前にもう流れ込んでいるのだ。


流れ込み2

中州グラウンドからの流れ込みはさらにもう1ヶ所あった。こちらもドクドクと流れ込んでいる。
上の写真で、上方中央に流れ込みが見える。

しかし、それとは別に袋小路の支流の方もさらに上の方まで水路ができていた。


水源近く

上の写真は先日見ていたこの水路の水源近く。草株の間の水の水位が上がっているのがわかる。
しかし先日との違いはそれだけではなかった。
写真手前側にも水面が写っている。この水面は水位が上昇してそこも水面になった、というだけのものではなかった。
流れているのだ。



岸に沿った小さな水路、その元は?

草株の間の流れの元を眼でおっていくと護岸の岸に沿った水路に行き着いた。


水路

岸に沿って

ここいら辺は先日は水が涸れていたが、以前は湧き水が沢山見られたところだ。
3.の「湧き水」に書いたあの湧き水だ。

この護岸の左手側には広い河川敷があるので、そこに降った雨水がわき出てこの水路になったのだろう。
これでこの袋小路水路の水量が豊富なことと、増水後でも水がきれいなことが納得できる気がした。


しかし、あの大雨のあとだ。この水路にはまだ上流があるかもしれない。
上の写真を見てもわかるように、上流側には奥の方にずーと低い崖が続いている。
あの崖の縁に沿ってこの水路が続いているかもしれない。

水路

下にはまだ幅の広い水路があった。水路は崖線に沿って、まだもう少し先までありそうだ。
中州にわたってそれを確かめてみたかったが、その勇気はなかった。



上流の水たまり

水路近くの護岸から上流側を遠望したのが上の写真。
白っぽく石がむき出しになって川のようにみえている所は中州の低くなっているところ。たぶん増水したときの水の流れ道で、草はあまり生えていない。
写真中央に水たまりが写っている。
水たまりが水路の元なのか、水たまりより先にも水路があるかどうか、はっきりしない。

どこか上流側でそれが分かるところはないだろうか。




鉄砲水のあと?

護岸の上に戻り、護岸のコンクリ沿いに上流側に向かった。
川岸に向かう踏み跡があったのでそこに入った。
ススキの藪の間を抜けていき、 踏み跡の先端近くまで来た。

下を見下ろして、水路が見えたはずだが、あとで調べてみるとそこの写真は撮っていなかった。
ただ、足元が不安で、そこから中州の方にわたる勇気はなかった。



すすき

この写真は今の踏み跡の道の先端の1メートルほど手前で上流側を向いて撮ったもの。
左側には人の背丈よりも高いススキが写っている。
写真中央には、そのススキが両手を広げたぐらいの幅で一斉に手前に押し倒されている様子が写っている。
写真の右側にもススキが写っているが、右側のススキはあまり倒れていない。
下流側も似たような状態だった。

すごい風景を見てしまった、という感じだ。
大雨で増水したときの本流からの水が、鉄砲水のようにここを一気にどーっと流れたのではないだろうか。
鉄砲水は水路よりも上のススキの藪の中を通過したのだ。

大雨の時には、そしてそのあとも、うっかり川の岸には近寄ってはいけない、ということがよくわかる。
 


上流はススキの原野

上の護岸に戻り、さらに上流側に行ってみた。

水たまり

川岸に向かう道があったが、だいぶ行くと水たまりもあり、先には行けなかった。
ここいら辺はかなり広く奥深い。いずれゆっくり見てみよう。

のばら

護岸に戻ってすぐのところできれいな野バラが咲いていた。
護岸をさらに上流側に行き、川岸に向かう小道を探した。

草原

上流に向かっていって出た広い草原。写真はその草原から下流側を見たもので、遠くに出発点となった多摩川原橋が小さく写っている。
この草地の写真左側は広大なススキの原野が広がっている。道があったので途中まで入ってみたが、さらに奥が深く、細い道も入り組んでいるので、やめておいた。ここもいずれよく見てみよう。
ここの草地も感じの良いところだ。楽しみが増えた。         (続く)

                                      (2006年6月 撮影)









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